代表者プロフィール

松田純子

トマティスメソッド・カウンセラー、発達障害コミュニケーション指導者

元フリーアナウンサーで「アタック25」などテレビ・ラジオで活動。29歳、出産を機に最前線から退く。「発達障害」という言葉が今ほど知られていなかったころ「他人の心を慮ることが苦手」「感情を言葉で表現するのが苦手」な息子の子育てで悩んでいたが「トマティス・メソッド」(音楽療法)と出会い人生が変わり、トマティス・カウンセラーに。
1999年トマティス神戸センター設立に貢献。2019年からは発達支援・放課後等デイサービス「マーシーワルツ」でトマティス・カウンセラーとして活動中。

トマティスとの出会い

私が「トマティス」という音楽療法に出会ったのは、1998年。息子が14歳の時のことです。

息子は、幼少期からコミュニケーションが苦手なようでした。
三歳児検診では「心配ない」と言われたものの、母親として、周りの子と比べて言葉が少ない事、ポツポツ単語は発するけれど文章にならない事をとても心配していました。
小学生になると忘れ物が多く、休み時間が終わっても一人ブランコに乗り続けていたり、グループワークでの役割分担ができなかったりと、クラスに馴染めないことが多くなりました。そして小学校5年生の時、担任の先生に「通級」をすすめられ、心療内科の先生にLD(学習障害)、発達障害のグレーゾーンと診断をうけました。
当時「砂時計のようだ」と私は息子を表現しました。ひっくりかえすと、砂がサーっと落ち始める砂時計のように、息子も私が「早くしなさい」「これをしなさい」「あれをしなさい」と声をかけると一旦は動き出します。ただ砂が落ち切るとピタッと止まる砂時計のように、息子もある程度時間が経つとピタッと動作が止まってしまうのです。
中学に入ると、感情をうまく「言葉」で表現しきれない息子は、感情が爆発しそうになると、キーキーと大声をあげながら、部屋中のものを投げて来ました。正直私はどうすればいいかわからなくなりました。

そんな時、息子が通っている中学にいらしたカウンセラーさんが勧めてくれたのが「奇跡の聴覚セラピー(著:篠原佳年)」という本だったのです。

その本には「耳の検査では問題はないけれども、あるヘルツ数の音(ある高さの音)だけ聞こえていない人がいる事」「耳の聞こえ方が性格・精神状態・言葉の発達・コミュニケーションに影響している事」「それを明らかにしたフランスの耳鼻咽喉科のトマティス博士は『ある音楽』を『専用のヘッドホン』で聞かせることで『耳』を変える音楽療法を生み出し、その音楽療法がいまや世界中で発達障害の子どもたちの支援に使われている」と書いてありました。

私は、すぐにその本の著者・篠原先生のクリニックまで息子を連れていきました。「息子の耳を調べて欲しい」と思ったのです。結果、息子の耳は「日本語を話すのに一番使う」と言われている高さの音(1500ヘルツの音)が聞こえていない事が分かりました。

それから半年ほど篠原先生のもとへ通い続けた息子には、目に見えて変化がありました。
まず、集中力がアップして忘れ物が減りました。それまでは他人の声(1500ヘルツの音)が聞こえづらくて、集中しようと思っても疲れてしまい、先生の「明日の持ち物を伝える声」を聞き逃しがちだったようです。
友達とのコミュニケーションも増えて、家で感情を爆発させることもなくなりました。
リズムや音程がとれるようになって鼻歌も増え、そしてなにより「英語」という得意分野が出来ました。
トマティスという音楽療法では、低周波から高周波の音(低い音から高い音)までバランスよく聞こえる耳に変えていきます。日本人が英語を苦手とする理由の1つといわれている「日本語にはない高周波の音が聞き取れない」という点をクリアし、のちに息子は外国語大学を卒業します。

そういった息子の変化に感動した私は、すぐにトマティス・カウンセラーの資格を取得しました。1999年にはトマティス神戸センターの設立にも関わり、2019年10月からは児童発達支援・放課後等デイサービス「マーシーワルツ」でトマティス・カウンセラーとして働いています。

特別支援学級に通っているお子さんも多くいますが「一方的に自分の好きなことばかり話をしていた子」が、こちらの質問に答えて「会話」ができるようになったり、やる気が出てきたり、学校の先生の話がよく聞こえるようになったり、自分の気持ちを言葉で表現できるようになったりと、日々子どもたちの変化を感じています。

ただ、その中で気づくのは「親御さんたちの辛さ・苦しさ」です。カウンセラーとして関わる私から見ていると、一人ひとりのお子さんに良さがありますし、少しずつ成長しているのですが、なかなか気づけない親御さんもいらっしゃいます。「いつも同じ絵ばかり描いているんです」と怒る親御さんは、その子が細部まで絵を描けることを気づけていません。
しかし私自身を振り返ってみると「なんでうちの子はできないのだろう?」とほかの子と比べて焦ったり「私の育て方が悪いのかもしれない」と自分自身を責める事もよくありました。まったく余裕がなくて、子どもの「できない事」ばかりに目を向けていました。

そんな私を変えるきっかけをくれたのも、トマティスでした。「人を前向きにする」と言われる高周波(高い音)を聞いて、耳の調子を整えていくことで、息子の「いいところ」「できること」に目を向けられるようになっていった気がします。

そして、親(特に母親)の子どもに対する言葉がけが、いかに子どもの言語発達・心の成長・自信に重要なのかという事にも気づき、「子供とのコミュニケーションの取り方」をアドバイスできる「発達障害コミュニケーション指導者」の資格も取得しました。

こういった自分自身のスキル・経験を生かして、いま悩んでいる発達障害・グレーゾーンのお子さんや、親御さんの力になりたいと思っています。
お子さんだけではなく、親御さんが一人になれる時間と場所を提供し、音楽療法で軽くしていきたいのです。
親の笑顔が子どもの笑顔につながると私は信じています。

「皆さんの“耳”を変えることで、皆さんを笑顔にしたい」「耳から笑顔、耳から幸せ」が私のコンセプトであり、目標です。